マッチングアプリで増えているぼったくり

マッチングアプリで増えているぼったくり

婚活・恋愛ツールとしても利用されているマッチングアプリ。
実際にマッチングアプリで出会い結婚した事例も多く、たくさんの人が利用しています。
利用者増加に伴い、問題になっているのがマッチングアプリを利用した詐欺です。
中でも知り合った男性を巧みに誘うぼったくりの手口が増えています。

マッチングアプリ利用におけるぼったくりの手口

マッチングアプリを利用して出会った相手から、高額な支払いを求められるという被害が報告されています。
一例として、若い女性に声をかけられ、バーなどに連れて行かれた後に、意図せず高額な請求をされるというケースです。
これは一部のバーが関与している「ぼったくりバー」の手口であり、警視庁などが注意を呼びかけています。

この手口では、マッチングアプリを通じて出会った異性が、実は「ぼったくりバー」のホステスや関係者だったのです。
彼女たちは「喫茶店だと緊張するので軽くお酒でもいいですか」と相手をバーに誘い出します。
バーでは飲み放題を注文し、飲み始めますが、お会計をすると極端に高い金額に。
明細には飲み放題とは対象外のお酒として会計されるのです。
当然、持ち合わせはありませんが、ATMまで店員が同行しお金を支払わせます。
逃げようとすると胸ぐらをつかみ恐喝してお金を要求されるそうです。
相手の女性はというと、「親からお金を借りてくる」といってその場から立ち去り、その後、連絡が取れないということです。

被害を防ぐには

このようなぼったくり被害に遭わないようにするには、実際にあった手口について知識を身につけることです。
もしも、手口を知っていれば行きたいお店があると提案された時点で気づけたかもしれません。そのようなアンテナを張っておくことが一番の対策になります。
また、ぼったくりは違法な行為なので、お金を支払う必要がなく、その場から離れて誰かと相談することが大切です。
自分で解決することは難しいので、すぐに110番通報したほうがよいでしょう。第三者の目に入れば危険な状態から脱することができます。

ぼったくり防止条例について

このようなぼったくりの被害について、一部の自治体では「ぼったくり防止条例」が制定されています。
ぼったくり防止条例とは不当な客引きについて適用される条例です。
条例ではお客さんにお酒を提供したり、不当な勧誘や取り立てをするお店は条例の規制対象です。
ぼったくりバーは法外な料金を請求しようとします。
条例には「お客さんに見やすい場所に料金を表示しなければならない」という料金表示の義務があります。
条例に違反した場合、業務停止命令や罰金に該当し、警察に逮捕されることも。

ただし、ぼったくり防止条例の対象が性風俗店などに限定されており、一般的な飲食店には適用されないケースも多いので、自分の身は自分で守らなければなりません。

もしもぼったくりバーに入ってしまったら

もしも、ぼったくりを受けていることに気づいた場合、法外な料金を回避するには以下の様な行動を取る必要があります。

注文前に退店する

まだ注文をする前にぼったくりに気づいた場合、すぐに退店しましょう。早い段階で退店することで請求額を最小限に抑えられます。

不当な請求は拒否する

請求の段階で、事前に同意していない追加料金を上乗せされたり、知らない注文が追加されていたりした場合、同意のうえで注文したものの料金に限って支払うと伝えてください。
法的にサービス内容と料金の同意がない場合、客側はサービス料金を支払う義務はありません。
そのため、店側から事前に説明のない料金は、客側は支払いを拒否する権利があります。

支払わざるを得ない状況ならクレジットカードを利用

脅迫まがいの料金請求を受けたため、やむを得ず支払う場合は可能であればクレジットカードを利用しましょう。
この後、警察に被害届を提出したうえでクレジットカード会社に対してぼったくり被害を説明すれば、引き落としを停止してくれたり、引き落とし済みの料金を返金してくれる可能性があります。

店内の様子、やり取りを撮影・録画する

ぼったくり被害の証拠を確保することが大切です。
スマホの録音機能やカメラを利用して、店員のやり取りの様子や店内の様子を記録しておくとよいでしょう。
特に重要なのが料金説明に関する会話です。その後の裁判で証拠として役立ちます。
また、恐喝の証拠として警察に提出することもできます。

警察・弁護士に相談する

会計時にもめ事が起こったら、警察を呼びましょう。
警察は「民事不介入」の原則により、対応してくれないとよくいわれますが、恐喝や暴行・傷害に当たる有効な証拠がある場合、警察も動いてくれる可能性が高まります。
そのため、警察へ連絡する際は「脅迫されている」と伝えてください。
料金を支払ってしまった場合は弁護士へ。証拠などで事実関係が立証できれば払ったお金を取り戻すことも可能です。

ぼったくり以外のトラブルについて

マッチングアプリのトラブルはぼったくり以外にも以下の様な詐欺行為が横行しています。

副業・投資詐欺

マッチングアプリにおける副業・投資詐欺は、マッチングした相手に対して「簡単に稼げる方法がある」などと持ち掛けて、割りの良い副業案件や高価な情報商材、レクチャーするという名目で投資商品を売りつける手口です。
マッチングアプリでは当然、このような勧誘は規約違反なので、マッチングアプリのメッセージではなく、別のSNSに移ってから、個人間でのやり取り時に勧誘してきます。
マッチングした相手がすぐに「他のSNSでやり取りしたい」というメッセージや、メッセージのやり取りで「副業で稼いでいる」「投資でうまくいっている」というように聞いてもいないのに、副業や投資という言葉がでてきたら要注意です。
近年では暗号通貨絡みの投資詐欺も増えており、国民生活センターでも副業・投資詐欺について注意喚起を行っています。

ネットワークビジネス

いわゆるマルチ商法のことで、自社製品を売った相手を販売員として勧誘し、販売員のネットワークを拡大していくビジネスです。
販売員が増えるほど勧誘した側にお金が入ってくるため、マッチングアプリを利用して勧誘相手を探しています。
手口としてはメッセージのやり取りで、今の自分が行っている活動や良い生活をちらつかせて、セミナーやアポイントにつなげてくる手口です。
勧誘された側の相手に好かれたいという思いを利用して、「一緒にやろう」と自然な流れで勧誘してくるので、すぐにわからなかったりします。
いきなりセミナーやパーティーに誘う、「友達を呼んでいい?」など、二人きりではない会い方を提案された場合は要注意です。
なお、ネットワークビジネス自体は合法ですが、相手に勧誘目的であることを告げずにネットワークビジネスに勧誘することは違法であることを覚えておくとよいでしょう。

デート商法

デート商法とはマッチングアプリで仲良くなった相手をデートに誘いだして、高額な商品を購入させる詐欺です。
不動産や株式などの投資商品を購入させるケースが増加しており、被害額も高額になっています。
この手口も相手に好かれたいという気持ちを利用し、「一緒に投資しよう」と働きかけてくるので、詐欺だと気づきにくい手口です。
国民生活センターの発表によると男性だけではなく、女性の被害も増えています。
マッチングアプリで高額な投資商品を勧められた場合は要注意。
詐欺師は写真撮影や個人情報を出すことを嫌う傾向にあります。一緒に写真を撮ることを拒む場合は詐欺の可能性があるといえるでしょう。

結婚詐欺

結婚する意思がないのに結婚をエサにして、相手をだまし、金銭を巻き上げたり、返す意思がないのに借金したりする詐欺です。
一般的には交際を通じて信頼を深め、結婚を意識させながら、何らかの理由で高額の金銭を要求してきます。
「お金を出すのが断ったら結婚できなくなってしまう」という考えに陥り、お金を渡すケースが多いそうです。

美人局(つつもたせ)

美人局とは女性とターゲットの男性が肉体関係を持ったタイミングで、共犯の男性がやってきて脅迫し、金銭を要求するものです。
美人局に関する事件はたびたびニュースで取り上げられています。
出会ったばかりなのに露骨に肉体関係を迫ってきた場合は注意しましょう。

外国人詐欺

外国人による詐欺もあります。詐欺の種類としては結婚詐欺や投資詐欺などが多く、手口もほぼ同じです。
ただ、相手が外国人であったり、海外在住であったりすると、よくわからない分、嘘でも本当のように思えてくるので、騙されないように注意しなければなりません。
なお、詐欺を行っている外国人は、他の利用者から通報されるので、すぐに退会させられているので、他のSNSへ移動しないことですぐに見分けられるでしょう。

マッチングアプリの詐欺から身を守るには

マッチングアプリで起こる様々なトラブルを回避するにはどうしたらいいのか自衛手段について紹介します。

プロフィールで見抜く

ある程度マッチングアプリをやっているとプロフィールで何となくわかってきます。
芸能人のように美人な写真であったり、数回のやりとりですぐに会いたがったり、他のSNSに誘導してきたりした場合はほぼ確実に詐欺師でしょう。
自衛のためにも、マッチングした場合でもすぐに会わないほうが良いです。じっくりやりとりを行ってからにしましょう。
詐欺師のほとんどは数日で通報されて退会されます。

ワンナイトラブを狙わない

出会ったその日で、ホテルや相手の家に行くことは避けましょう。
何度か会って、気が合う相手なら付き合うという、健全な出会い方であればトラブルはまず起こりません。
詐欺師は手間をかけることを嫌うので、ワンナイトラブを狙うのは非常にリスクが高いです。

初回のデートは人通りの多い場所で

初めてのデートはできるだけ人通りの多い場所で待ち合わせるようにしましょう。人目が付く場所であれば相手は無理できません。
また、出会って間もないうちは、短時間でデートは済ませましょう。
ランチデートであれば予算も抑えられますし、1時間ほどで切り上げられます。相手側も真面目な出会いを求めているのであれば、応じてくれるはずです。

まとめ

マッチングアプリは純粋な出会い以外を目的とする人間が存在していることを肝に銘じておきましょう。
そのため、正しい知識を持ち自衛することが大切です。
楽しく、気持ちよく婚活をするために無用なトラブルを避けて楽しみましょう。