今だからこそ見直したい「ネチケット」について
僕は昔からパソコンやIT系技術が好きな子供時代を送ってきたので、ネット歴は同年代の人よりもかなり長いと自負しています。
僕が小中学生の頃にはネットが当たり前に繋がるようになってきた時代だったので、それまでリアルで行っていた人付き合いがネットというツールを介するようになったときどんなことに気をつけるべきかということがよく議論されていました。
現在ではあまり多く聞かれなくなった言葉ですが当時には「ネチケット」という言葉があり、ネット上で人と関わり合いを持つときに最低限守るべきマナーやモラルというものを総称していました。
ただ「ネチケット」は普通の社会のように常識がはっきりと決められているわけでなく、ネットを趣味にするという一つのコミュニティでのローカルルールという意味が強かったので、「それを守らなくて何が悪いの?」という人もかなりいました。
しかしながら現在のようにネットを利用するのがほぼ全員とも言えるようになった現代こそ、きちんとローカルルールではなく一般化されたネチケットが今こそ必要なのではないかと思うのです。
当時からあったネチケットとその議論
今ではちょっと信じられないことですが、今から20年くらい前の頃はブロードバンドやWiFiといった便利なツールがなかったので、非常に遅い電話回線やパケット通信を使っていました。
そのため文字数が何文字であるかによって通信料が変わってしまったため、できるだけ短いテキストを送るようにするというのがネチケットの一つとして常識化していました。
ネチケットの難しいところがそういった技術の進歩によって自然に消えてしまうものがあるところで、現在文字数をマナーのために少なくするという人はほとんどいなくなっています。
一方で当時から同じように常識として存在しているネチケットもあります。
例えば初めて接触をする相手に対してはきちんと挨拶をする、いきなり妙な要望などをしない、匿名で誹謗中傷をしないといったようなものです。
漠然としていますが、当時から顔が見えない相手とのコミュニケーションということもあって、全く面識のないはずの人に対して平気で悪口を言ったり、何かをよこせといったような要望を言ってくる人が当たり前にいたことからきちんと守ろうというルールとして生じたものでした。
残念なことに今でもそうした現実ではありえないようなコミュニケーションをしてくる人もおり、学校やその他の教育施設ではっきり教えていくべきではないかと考えてもいます。
今問われる著作権の問題
ネチケットというにしてはあまりにも問題の根が深いのが著作権の問題です。
先日も東京オリンピックのロゴに関する問題で、デザイン事務所が提出した内容が他のデザイナーが制作したものと酷似していたということが広くとりあげられましたが、実際のところネットで検索をすれば例えプロであっても簡単に人の著作物を自分のものとして使用することが可能になってしまいます。
本来であればこうしたネット上での著作権問題については専門機関によって適切な行為かどうかは決められているのですが、プロの業界内ですらその内容が周知されているわけではありません。
参考>>http://www.cric.or.jp/qa/multimedia/
僕が個人的に知り合いになっている人にも、若い人は特にこの著作権についての認識が甘いなと感じることがあります。
普通の社会生活において、誰か知り合いが描いた絵や文章を自分のもののように振る舞うというのはまずありえないことです。
しかしそれができてしまい不正の発覚が難しいというのがインターネットであるので、そうしたことへの対策のためにも改めて「ネチケット」については有識者たちにきちんと考え世の中に提示していってもらいたいと思っています。